フィンガークラックのグレード
北海道にはロングナイト5.12bという有名なフィンガークラックがある。薄かぶりの壁に走る綺麗なスプリッターのクラックだ。
それに比べて自分のプロジェクトはどのくらい難しいのだろうと思い、少し考察してみた。
クラックはその性質上、ムーブというよりはクラックの長さや形状でグレードが決まると思われる。
グレードに関わる要素を一つずつ挙げていきたい。
①長さ
クラックはシンプルな尺取り虫の動きを繰り返していくので、長ければ長いほどその動作が多くなり消耗させられる。
②傾斜
傾斜がキツければ勿論負荷は増えるし、下方向に効かせるジャムは抜けやすくなるだろう。
③サイズ
一般的に細ければ細いほど難しいと思われがちだが、あながちそうでもないと思う。指が入らないサイズはまた別だが、#0.4サイズの指が丁度入るくらいだとジャムがしっかり決まって安心感がある。逆に#0.5サイズくらいになるとジャムが甘くなり始める。個人的には難易度は#0.4<#0.5だと思う。
④並行か
並行なクラックは難しい、それはボトミングができないからだ。正攻法でジャムを効かせるしかなくなる。
⑤スプリッターかオフセットか
スプリッターの難しい点はフットホールドが少ないことだ。壁にスタンスがなければ、細いクラックに足をねじ込んでフットジャムを効かせるしかない。オフセットしている場合は、出っ張った壁に足を押し付けられるので、足置きが幾分楽になる可能性がある。
逆にスプリッターの楽な点は、順手逆手どちらのジャムも使える点だ。オフセットしているクラックだと、順手逆手が形状的に決まってしまうため、ひたすら同じ手の向きでジャムをし続けることになる。同じことを繰り返していると同じ筋肉が疲労し消耗に繋がる。
また一般的にクラックではレイバック体勢は消耗が大きいとされているが、オフセットクラックだとレイバック体勢になりやすい。逆にスプリッターでは身体がクラックの正面に来るので結果的に消耗が少なくなる可能性がある。
⑥フレアしているか
無論フレアしている方がジャムは決まりにくいし、プロテクションも取りづらい。
以上を踏まえると、ロングナイトの難しさは傾斜がありそこそこ長さもある点だと思う。スプリッターではあるが、左右の壁にスタンスはところどころあるのでフットジャムを多用するほどではない。長さはフィンガーパートだけだと17-8mくらい?
プロジェクトは下部8mのプアプロなボルダー3級程度をこなして、3-4mの#0.3-0.4サイズ、そして20m超の#0.5サイズといった構成だ。中間からはオフセットしているので、足は決まりやすくなるが、手の向きがずっと一緒なのがキツいし、ジャムも甘いのでレイバックに持ち込みたくなる。レストポイントは何ヶ所かあるが、ロングナイトのレストのようにずっと留まれる訳ではないので、かなりストレニュアスだ。更に最上部ではクラックが一瞬閉じる核心部が待っている。傾斜はほぼ垂直だが、この内容だけをみてもロングナイトよりアルファベット2つ以上は上、もしかしたら北海道初の13クラックかもしれない。
こんなラインはおそらく二度と見つけられないと思うので、情熱を持って取り組みたい。
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